source : 2012.09.09 産経ニュース 書評 (ボタンクリックで引用記事が開閉)
■安倍叩きは「朝日の社是」
メディアと政治家との関係に関心がある人に、ぜひ読んでもらいたい。戦後体制からの脱却と公務員制度改革、教育改革、憲法改正への道筋作り…。文芸批評、音楽批評を専門とする著者が畑違いの政治分野で丹念に追跡し、拾い集めた安倍政権の足跡、実績と、スキャンダル暴露と印象操作に終始した朝日新聞の報道のあり方をたどると、あまりの乖離(かいり)に愕然(がくぜん)とするだろう。
「安倍の葬式はうちで出す」。本書では、この安倍内閣当時の朝日幹部のグロテスクな言葉が繰り返し引用される。政治評論家の三宅久之は著者に、朝日の若宮啓文論説主幹(現主筆)とのこんなやりとりを明かしたという。
三宅「朝日は安倍というといたずらに叩(たた)くけど、いいところはきちんと認めるような報道はできないものなのか」
若宮「できません」
三宅「何故(なぜ)だ」
若宮「社是だからです」
特定の政治家を叩き、おとしめることが社是である新聞社とはどんな存在だろうか。それは、むしろ政治的意図をあらわにしたプロパガンダ機関というべきだが、社論を決定する地位にある人物がこう述べたというから驚く。
メディアが権力者を批判するのは当然だが、著者が指摘する「明白なウソ」「虚偽のストーリー」による安倍叩きに正当性はあるのか。本書は、安倍内閣で首相補佐官を務めた世耕弘成が大学生に語った述懐を取り上げる。
「今でもよく思うんだよね。安倍内閣とは一体何だったのだろうって。あの叩かれ方は何だったのだろう」
また、本書は実証的なアプローチも欠かさない。それによると朝日は、安倍内閣の松岡利勝農水相の政治資金問題の関連記事は125件も掲載した半面、民主党の小沢一郎代表の政治資金問題は14件のみ。安倍が推進した教育基本法改正に関して反対運動の記事70件を掲載したが、賛成派の動きは3件だけだという。
反安倍勢力に封印されたあの時代を、正確な記憶として取り戻す-。本書はそのために書かれ、安倍復活の「約束の日」への切望を表明して締めくくられている。(幻冬舎・1575円)
評・阿比留瑠比(政治部)
なぜ「安倍」か
source : 2012.09.08 三宅久之の小言幸兵衛 (ボタンクリックで引用記事が開閉)
私が日本を託す次期首相として「安倍晋三氏」を挙げたことに対して、多くの方々から「なぜ?」との質問をいただいた。
少し長くなるが経緯をご説明したい。
2007年8月、インドなど3カ国歴訪から帰国した安倍首相(当時)は、直ちに内閣改造を断行。新たな安倍カラーを打ち出すべく臨時国会を召集、9月10日に所信表明演説を行った。ところが野党がこれに対し代表質問を行う12日の衆院本会議の直前、安倍氏は突如として退陣を表明したのである。
私は安倍氏の外遊中から下痢が止まらず、体調がすぐれないとの情報は聞いていたが、内閣を投げ出すほどに悪化しているなら、帰国直後にも総辞職の機会は幾度もあったと思う。それなのに所信表明までやり、野党質問の直前に辞めるということは、野党だけでなく国民に対しても非礼であると考え、メディアを通じて政治家の行動として「あるまじきこと」と非難したのである。
話は飛んで、2010年11月、私がレギュラーコメンテイターを務めていた大阪読売テレビの人気番組「たかじんのそこまで言って委員会」が、山口県俵山温泉で、新年用特別番組の収録を行った際、ゲストとして地元選出の安倍氏が出演していた。
安倍氏はやしきたかじん氏と裸になって大浴場で語り合い、「太ったじゃないですか」「特効薬のアサコールが認可になって、劇的に腸疾患が快癒しました。もう大丈夫です」と和やかだった。しかし食事の席では、同席した金美齢、勝谷誠彦氏らから、これまた「辞め方」について痛烈な批判を浴びた。
これに対して安倍氏は誠実に当時の心境を吐露。「総理のポストは重いもので、軽々に辞めてはいけないと思ったばかりに時機を失した。下痢は止まらず、食事はのどを通らず、肉体的限界に達したからだが、辞任の責任は重い」と痛切な表情で釈明。これによって私は「辞め方」の懸念は、あらかた氷解したのであった。
私は月刊『WILL』(2011年7月号)に「今、日本をなんとかしたいという高い志を持った政治家は、安倍氏しかいないと思う。政治評論家引退に当たり、最後の仕事として『安倍再生プロジェクト』を立ち上げたい」と書いた。
同じころ月刊『文藝春秋』『正論』など何誌かで、「日本の次期リーダーにふさわしいのは誰か」といった特集が組まれたが、多くの識者が安倍氏の名前を挙げていた。そこで、それら志を同じくする人々と連絡をとり、代表発起人として同『プロジェクト』を発足させた。
安倍氏の出席を求めて見解を聞いたり、もっとメディアに出て意見を述べよ、地方を回って国民の声を直接聞け、など注文つける会合を、昨年から今年にかけて数回開いて、安倍氏の決意の固さを確かめたのである。
9月5日、私たち代表8人が安倍氏を訪ね、民間人有志による緊急声明を手渡し決起を求めたのも、この会に結集された30人に及ぶ同志の総意によるものである。
*緊急声明の全文と発起人有志の氏名は、私のフェイスブックに掲載したので、ご確認いただきたい。
*//www.facebook.com/hisayuki.miyake
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